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2023.03.07CANONICO /  WOOL, HEMP & COTTON JACKET




 PRODUCT LINE
MTM – House manipulation(MTM – H)


  CANONICO(伊)

Wool 73%
Cotton 12%
Hemp 15%

Weight 280 g / m




紳士服で使用される生地が抱える問題。
知られるところでは原料調達のための乱獲や、染色時の排水における環境負荷など。
サステナビリティを考えるとき、洋服の製造過程も例外なく他の製造業と同列に扱われます。


今回のジャケットに使用した生地、CANONICOの H.O.P.E. はそのような現状に一石を投じる一枚。
紳士服生地で世界的に大きなシェアを持つCANONICOが、この問題に取り組むことは大きな意義があると感じます。

『 How to Optimise People and Environment 』の頭文字を取って名付けられた H.O.P.E 。
化学染料や化学物質の使用・排出を可能な限り抑えるため、素材の色を生かした無染色繊維を使用。
また染色を行うものについては植物染料を使用することで排水等の環境負荷を軽減します。


今回の素材で使用されているヘンプ、紳士服生地ではあまり馴染みがないかもしれません。
亜麻から取れるリネンとは根本的に異なり、大麻(おおあさ)から取れるヘンプは繊維こそ太いもののメリットも多くあります。
強靭な繊維質は仕立て映えの良さと、シワになりにくさを。
ネップの多さは通気性と吸湿性に優れ、色味も相まって素朴な風合いのポイントにもなります。


お仕立ては至ってベーシックに、ただ内部構造や型紙には少しこだわります。
芯は生地の強みを生かしなるべく薄く。
構造部分を薄くする代わり、肩まわりのラインやマニカのボリュームを型紙で調整。
肩乗り良くリラックスした印象に仕上げました。

環境問題やサステナビリティなど、たくさんの要素を含んでいる生地。
背景や物性も含めて、生地のパワーを活かすお仕立てを心がけた一着です。