JOURNAL

2022.12.25Mail Magazine Archives  vol. 06

2022年11月9日 配信(一部抜粋)

『 オーナー中野のひとりごと 』

前回はイタリアとイギリスのお国柄について呟きましたが、今回はアメリカ編。
19世紀末にブルックスが発表した『 No.1サックスーツ 』然り、モーニングやテイルコートを自身の体にあわせて誂える文化が残るなか、何故この様なゆったりとした着こなしが生まれたのか?

後にこれが “アメトラ・ファッション” のルーツともなる訳ですが、皆様はどのように考察しますでしょうか。

私は、アメリカという国家の成り立ちに注目しています。

18世紀末に建国され、南北戦争の終結が1865年。産業革命の真っ只中でもあります。
移民の流入と急速な経済の発展に伴う需給のバランスを保つには、誂え文化はいささかアンマッチに思えます。

よって、工業製品に特化し量産を必要とする土壌が生まれる。ゆえに多種多様な人種でも着用出来るシルエットに意義があったのではないかと。

ファッションとしてのアメトラは、その結果論だったと考えると歴史のロマンすら感じとれ、着こなし方にもアイデンティティが帯びるように感じる今日この頃です。

2022年11月9日 配信(一部抜粋)Mail Magazine vol. 06 より
『 オーナー中野のひとりごと 』