JOURNAL

2025.06.08【 オーダーネクタイ受注会 】25年6月12日〜15日 4dyas

こんにちは SECOND HOUSE 中野です。


この度、秋冬シーズに向けた『 ハンドワークのオーダーネクタイ受注会 』を開催致します。

当店ではオーダーネクタイのご注文を常時承っておりますが、この受注会でご用意するネクタイ生地は通常、取扱っていない期間限定のラインナップになります。

この受注会を開催する経緯や、モノ作りの背景には非常に面白いストーリが詰まっておりますので、5分ほどお時間頂きご一読頂けますと幸いです。

ポイント1 : 生地に使用する糸づくりへの拘り。撚り回数を150回 / Mと甘く撚った世界トップクラスの絹糸。

ポイント2 : 生地は京都西陣・丹後の機屋にて、京都の紋意匠を支えてきた伝統工芸士によるクラシックな柄展開。

ポイント3 : ネクタイの縫製は、創業62年になる千葉の工房にて手縫い縫製。型紙製作からご注文も承ります。

ネクタイの国内産業が抱える問題

海外製品のネクタイには、名品と呼ばれる珠玉のコレクションがあり、これを国産でも実現しようとすると幾つかの難関を越える必要があります。


【 難関1】 日本のネクタイ産業は、着物産業から転進した背景があり、紡績も織機も海外と違う設備が導入されている

【 難関2】 海外メーカーと設備が違うため、糸を輸入して織り上げても同じクオリティにはならない

【 難関3】 着物を織るための織機の構造上、生地幅が50cmに固定されてしまい155cm以上のネクタイ生地を生産出来ない

【 難関4】 国産ネクタイは海外との差別化のために、低価格帯の生産を担ってきた経緯から、新たな設備投資を行なってこれなかった


上記に加え、ビジネスウェアのカジュアル化が進行する現在、ネクタイの市場規模は下降の一途を辿っているのが現状です。

今回の受注会は当店をご利用頂く、角界・親方衆のご要望に応じる経緯で、1年かけてネクタイメーカーと打ち合わせを重ねて実現しております。

一般の方は、155cm以上のネクタイ・レングスを必要としない方が大半だと思いますが、ぜひこの機会に国産最高峰のネクタイをご堪能頂けますと幸いです。

糸作り・織り上げ・紋紙(もんがみ)の拘り

一般的な絹糸は、1メートルあたり250回 / Mの撚り回転をかけることで、織機へのセッティングを行い易くする傾向があり、これによって張り感のある生地が仕上がります。

しかし既製品でも2万円を越える海外メーカー品で感じる、柔らかな手持ち感とドレーピング。この風合いから生まれる巻き心地と比べますと、生地の差を感じるのが現状と言えます。


そこで今回の受注会で使用する絹糸は、伝統的に国内で飼育される蚕から紡いだ繊維を、1メートルあたり150回 / M という世界トップクラスに甘く撚った光沢あるの絹糸を使用します。

甘撚りの絹糸は織機にセッティングする難易度が格段に上がりますが、柔らかな手持ち感やドレーピングは、ネクタイを結ぶ際の巻き心地も格別です。

絹糸の染めは伝統的な染色方法の枷染めで機械を使わずに全て手作業で染色し、意匠は65年以上にわたり京都の紋意匠を支えてきた伝統工芸士に依頼。
縦糸、横糸を手書きで設計し細部に拘ったクラシックな柄を500種類ご用意致します。

撚り回数が少ない分、糸の取り扱いには注意が必要となりますが、低速織機で織ることで凹凸のあるふっくらした生地に仕上がり、解像度の高い柄出しを実現しています。

そして柔らかな生地の弾力にあわせて、職人が縫う糸のテンションも重要なクオリティになります。


ネクタイや着物の柄は、プリントのネクタイと違い、紋紙(もんがみ)と呼ぶ柄の設計図をあらかじめ考案し、この設計図に従って、縦糸と横糸の交差を工夫することで織り上がる伝統技法です。

受注会当日は、織元に保管されているアーカイブの柄見本帳をご用意致します。
見応えともに圧巻の種類ですので、お楽しみ頂けますと嬉しく思います。


またご注文頂いてから生地の生産が始まり、その後に職人が1本づつ裁断・縫製と生産を行う関係で、納期は3ヶ月と長くなりますが、秋が始まる9月まで仕立て上がりを楽しみにお待ち下さい。

500種類 アーカイブの生地見本

オーダー価格・納期

▷ 価格詳細

受注会特別価格 |  BASIC Order 34,000円 + tax 

※ ご注文本数 2本から(以降1本づつ)

【 仕様 】

◾️ 手縫い縫製
◾️ 大剣幅  7.0cm 〜 10.0cm | 7サイズ
◾️ レングス  130cm 〜 160cm | 7サイズ  ※ 160cmまでは既存の型紙あり
◾️ シルエット  ストレート or ボトルシェイプ
◾️ 裏地  無地 10色 | オプション追加工賃  スフォデラート +2,000円
◾️ 閂(かんぬき) 10色
◾️ 毛芯  3種類

受注会特別価格 |  Bespoke 39,000円 + tax 

※ ご注文本数 2本から(以降1本づつ)

【 仕様 】

◾️ 手縫い縫製 + 型紙製作  ※ 剣幅・レングスは個別対応(160cm以上可)
◾️ シルエット  ストレート or ボトルシェイプ
◾️ 裏地  無地 10色 | オプション追加工賃  スフォデラート +2,000円 or セッテピエゲ +6,000円
◾️ 閂(かんぬき)  10色
◾️ 毛芯  3種類

▷ 納期  9月上旬  ※ 仕立て上がり次第、順次ご連絡差し上げます

【 受注会 期間 】 2025年6月12日(木) 〜 2025年6月15日(日)まで | 4日間

【 ご予約制 】 ご来店予約は、コチラからお申込み下さい



今回の受注会は試験的な試みのため、価格や今後の継続においては、結果次第というのが本音でございます。

2年前にも国内で貴重な、広幅を織れる生地メーカー様が廃業となり、量産することで実現できる価格のレバレッジが発生し難いオーダー領域は稀有になりつつあります。

この企画が面白いなと感じて頂ける方がいらっしゃれば、ぜひこの機会にご注文をお待ち申し上げます。

TAILOR SECOND HOUSE 中野俊




FABRICS

情報が整い次第、掲載致しますので、お待ち下さい。