TAILOR SECOND HOUSE 大山です。

前回のジャケット編に引き続き、今回はシャツ＆スラックスのお仕立て上がりを紹介いたします。

春先から盛夏までの季節、気温が上がるにつれてジャケットを脱いだりと体温調節が重要な季節。
また仕事環境の変化で、春夏はスーツスタイル以外でお仕事に従事される方も増えたのではないかと伺えます。


クールビズという言葉は一時期より聞かなくなりましたが、夏にはシャツにスラックスのみ！というオフィスも少なくないと聞きます。
という事で、第二弾はシャツ＆スラックスでお送りいたします。

春夏の装い、なるべくならキチンと見せつつ快適に過ごせるアイテムが一番です。
仕立ての工夫、生地の工夫を凝らした、お勧めのお仕立て上がりをご覧ください。

シャツ＆スラックス お仕立て5選　

まずはシャツについて。
当店ではシャツを製作するラインとして、MTM-F と Factory Collection (後 FC と表記) を用意しております。

MTM-F は FC の様に専用の生地バンチこそないものの、設計に関しては自由度の高いラインです。
パターンオーダーである FC に比べ各所寸法の細かな指示ができ、体型補正も対応箇所が多く用意されています。
※ FC の仕組みについては別の特集ページにて詳しく説明しております、こちら からご覧ください。


続いてスラックスです。
Bespoke さながら型紙から店内で設計して縫製する MTM-H、工場の型紙を高度にモディファイして仕立てる MTM-F。
パターンオーダーながら練り上げられた型紙が特徴の FC（エミネントスラックス）。

製造プロセスは違いますがそのどれにも良さがあります。
三者三様、それぞれの素材も相まって素晴らしく着地した単品スラックス3点をご紹介いたします。


では シャツ＆スラックス お仕立て5選 お楽しみくださいませ。

TESSITURA MONTI　/　WHITE MESH SHIRT

Product Line　MTM-F


イタリアにて100年以上の歴史を誇る TESSITURA MONTI。
タッチの良さはもちろん、織りのテクニックの豊富さ、発色の良さなども高く評価されているイタリア3大シャツ生地メーカーです。
原綿はエジプト綿を主に使用、生産背景も合理化されておりコストパフォーマンスも優秀。

今回のお仕上がりはモンティのメッシュ生地を使用した1着。見ただけで涼しげな、春夏には最適の生地です。


続きを読む

WRINKLE FREE　/　BROWN CHECK SHIRT

Product Line　Factory Collection


Wrinkle Free の生地を使用した、　Factory Collection のシャツお仕上がり紹介です。

いつでもピシッとしたシャツで過ごしたい、という気持ちがありながらアイロンがけは面倒‥。
そんな面倒を軽減してくれるのが既製品でも散見される、形態安定シャツです。


続きを読む

CANONICO　/　 COVERT GREEN TROUSERS

Product Line　MTM-H


紳士服に使用される生地は、目的に応じて様々存在します。
今回ご紹介するカバートクロスは、元々狩猟用のコートで主に用いられていた生地。

カノニコが提供するカバートクロスは、大変丈夫でシワの復元性にも優れています。
一番の特徴はその物性から生まれる、仕立て栄えの良さ。
タテに杢の双糸、ヨコに単糸で密に織り上げられた生地は杢目を見せながらも、ほのかに光沢を帯び、ドレッシーな雰囲気を持ち合わせます。


続きを読む

一宮　/　 WOOL＆ LINEN BEIGE TROUSERS

Product Line　MTM-F


国内有数の毛織物産地、一宮。
古くから織物の産地として1000年以上の歴史を持ち、明治以降に毛織物に特化した地域です。

そんな一宮、現在は統合や合併を繰り返しながらも小規模の機屋が残っています。
大きなマーチャントと小規模のミルが混在し、ハイテクとローテクを使い分けた高品質な生地を供給しています。


続きを読む

REDA　/　GRAY TROUSERS

Product Line　Factory Collection


イタリアの服地メーカーの中でも、高機能性を持った生地を強く打ち出している REDA。
今回のスラックスには REDA の肝入り生地の一つ ” ICESENCE ” を使用しています。

ネーミングの通り、” 冷感 ” をキーワードにした生地は体感温度を下げるため、紫外線のカットに着眼し特殊加工を施しました。
その結果ドレープ感、光沢感を保ったまま快適に使用できる春夏生地のベストセラーに。


続きを読む

我々がお仕立てに携わる上で重要なのは、エビデンスを元にお客様の要望をプロダクトに結実させることです。
そのエビデンスは採寸や設計の知識、そして縫製されたのちの仕上がりまでを一筆書きに出来る事で生まれます。

ご用途に応じた生地選びや製造方法の選択、美しく見えながら快適な設計を追求する。
シャツやスラックスなど肌に近いものだからこそ、仕立ての面から装いをサポートしたいと思っております。

今回の特集が春夏の装いの一助になれば幸いです、ご笑覧頂きありがとうございました。