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2026.01.24フォーマルシーンを引き立てる Barathea

MTM – Factory cut
「 Barathea : バラシャ 」通称タキシードクロス。
古くから受け継がれるこの織物は、世界中のメーカーからリリースされておりますが、昨今私が一番信頼し、気に入っている服地が本作。
今回は、William Halstead (英) の Barathea を使用したフォーマルスーツのご紹介です。
フォーマルスーツの代表格と言えば、黒無地。
基本この枠組みで生地のご提案を行うのが常でして、日本人感覚では、フォーマルと言うと ” 冠婚葬祭” を含めた意味で言葉を使用していると感じます。
これを前提にすると「葬」が含むわけですので、黒無地のご提案に絞られるわけです。
本来、フォーマルという言葉は、冠婚葬祭に限定せず数多のシーンが対象となる為、必ずしも黒無地である必要はありません。よって “どのようなシーンなのか” が重要で、より具体的な着用目的のご説明が必要になります。
今回のご依頼は、一義的にはご本人の挙式でご着用になるスーツ。
挙式後は、”慶事(晴れごと)で着用出来るスーツが欲しい” とのご要望でした。
且つ “挙式時はコンサバティブなタキシードが着たい” との希望もあり、今回の黒無地バラシャに決定しております。


今回のコンセプトは、「 タキシードのお仕立てと、挙式後に慶事で着用するスーツ 」この2軸。
もし、ご要望が「 挙式後の着用目的が冠婚葬祭 」であれば、ラペルは “ノッチドラペル” 一択と考えますが、本作はお客様のご希望もあり “ピークドラペル” を採用し、タキシードのルックを主眼に設定。
そして、挙式後のバリエーション(着こなし)を考慮し、ウエストコート(ベスト)の製作も承りました。
古典的には、タキシードの着用はウエストコートが不要で、カマーバンドの着用が正式な装い。
現代的には、カマーバンドも着用せずに、2ピース(スーツ上下)でタキシードを着こなす方も多いと感じます。
シャツや蝶ネクタイも含め、この辺りは趣味性を重視して良いと当店は考えております。
なぜならば、挙式自体はプライベートなイベントであり、主催者はご本人(ご夫婦)であるため、このイベントにおける “ドレスコード” をお決めになるのもご本人です。
ご夫婦お二人が、実現したい時間や空間になるよう、出来る限り自由な発想でお楽しみ頂けますと嬉しく思います。


本作のお仕立てコースは、Made to measure – Factory cut(MTM – F)
業界の基本ルールとして、MTM領域のお仕立ては、上の写真のようにラペルに拝絹を後付けで製作することは工場では行えない仕事です。
よって、まずは挙式後の黒無地スーツとしてお仕立てし、日本橋の当店工房内で、仕立て上がったジャケットのラペルをトレースし、手作業で拝絹製作を行なっております。
こうすることでタキシード・ルックになり、挙式後に仕立て直しすることによって、冠婚葬祭やビジネススーツなどに変化させることが可能になります。
ブライダルでお仕立てをご検討の方は、当店が運営するポットキャスト番組「 屋根談 radio 」をご視聴頂けますと幸いです。お勧め回は、#73 フォーマルの装い。何が正解?【 メンズ・ドレスコード編 】 が参考になると思います。


【 TUXEDO CLOTH 】
William Halstead (英)
Barathea
Wool 70% Kid Mohair 30%
Weight 340 g / m
Fabric No. 015-01
2025 – 26 AUTUMU & WINTER
Fabric Price ¥52,800 + tax
別途 お仕立て代
PRODUCT LINE
MTM – Factory cut( MTM – F )
本生地は冒頭でも綴りましたが、私が近年一番気に入っているタキシードクロス(バラシャ)になります。
このボディを信頼する理由は3つです。
① ウィリアム・ハリステッドという織元の生地物性が、仕立て上がりの立体感と色気に富んでいる
② キッドモヘアを30%混紡することによる光沢と張りを持ちながらも、ドレーピングに長けている
③ この価格帯の生地では圧倒的なクヲリティを誇り、価格問わずバラシャの生地の中でも頭抜けている
僭越ながら、現在キャリア25年を経過しましたが、この生地メーカーに対しても、このボディに対しても、全幅の信頼性をおけると感じております。
特に今回ご紹介の生地は、業界用語で言うところの “出物” になります。
通常ならば、¥65,000(税別)辺りがマーケットプライスでして、それでも私はお安いと感じてなりません。
デメリットは、通常展開されているボディではなく、国内在庫が残り12.0M(およそ4着分)なのが残念なポイントです。全量、買い付けてしまうか非常に悩んでいます 笑
William Halstead は、1875年に英国イングランド北部のブラッドフォードで創業した毛織物工場(織元:ミル)。高品質なモヘヤや強撚糸(ハイツイスト)を得意とし、3PLY(3本撚り)やポーラ(フレスコ)などもウィリアム・ハリステッドの代名詞と言える物性。
シャトル織機のような低速で織り上げることで、糸の負担を軽減し、ハリコシが強く型崩れしにくい英国然とした特徴を持ち、サヴィル・ロウなど世界中のテーラーから高く評価されています。


今回は、タキシードの案件としてご紹介しましたが、冠婚葬祭問わず、上質な黒無地スーツが欲しい方にもお勧めです。
昨年より本生地を採用した案件に恵まれており、最後に別案件のノッチド・ラペルのタキシード写真を1枚添えておきます。
William Halstead (英) Barathea は、素晴らしい仕立て映えでして、モヘア特有の張りと光沢がありながら、モヘア独特の硬さやシャリが少なく、更に豊かなドレープまで味わえる。
この生地に出会えたことに感謝しかありません。
気になる方は、早めにお声がけ頂けますと幸いです。
通常ラインナップに加えられるよう頑張ります。

