JOURNAL

2026.02.08PICK UP BUNCH vol. 1 | The KUNISHIMA 1850

【 The KUNISHIMA 1850 】
Exclusive Line

Products recommend
Suit / Jacket / Trousers / Over coat

Fabric Price Range
★★☆☆☆ 〜 ★★★★★

収録 40 Collection

屋根談 radio をご視聴頂いた皆様、誠に有難うございます。

2月9日(月)配信、国島毛織様ゲストご出演回「 #94 魂を込めて織り上げた KUNISHIMA 1850 」と連動してバンチ(生地見本帳)をご紹介します。

ポットキャスト番組と一緒に本ブログをお楽しみ頂けますと幸いです。


まずは、昨年25年秋冬にリリースとなりました「 Exclusive Line 」から【 極限ギャバジン 】をご紹介します。

1888年に Burberry社が、耐久性と防水性に優れた全天候型レインコート素材として考案してから今日に至るまでメンズドレス業界のマスターピースとして燦然と輝く織物。

ギャバジンの織物性は、縦糸の密度が1インチ(2.54cm)間に縦糸が110〜140本。横糸が56〜65本を入れ込むこと。そして一般的な綾織(2/2)に対し、縦糸を横糸の倍以上セッティングすることで、綾目の斜紋が通常の綾織り(45度)より急角度の約60〜65度で綾線が表れるのが特徴。


メンズドレスに使用する毛織物の生地幅は、約153cm = 約60インチ。
よって縦糸の本数が通常およそ4000本に対し、ギャバジンは7500本前後となります。

今回、国島毛織よりリリースした【 極限ギャバジン 】の縦糸本数は驚異の8500本。
なお且つ本ボディは、SUPER 140’s の貴重な原毛を、このクラスには珍しい80番手の糸に紡ぎ、限界に挑戦して織り上げた服地。

通常 S140’s の原毛ならば糸番手は100番を超えるのが業界の定石。
番手が上がると糸が細くなるわけですので、生地に光沢や柔らかさをもたらすメリットがあります。
デメリットは、皆様もご存知の通り、デリケートでシワになりやすい背景から、非常にラグジュアリーな服地として高い数値の SUPER 指数をもてはやす風潮があります。

こういったデメリットを解消させる為に、このクラスでは中肉の糸番手かつギャバジン織に挑戦しながらも原毛の良さを主張する。

こういった物作りに、国島毛織という企業のミルとしての矜持を私は感じます。

さらに【 極限ギャバジン 】に使用する糸には、”コンパクトヤーン” と呼ばれる特別な紡績が施されています。

ウールには、人毛のキューティクルと同じく “スケール” と呼ぶ鱗が存在します。
因みに、このスケールが絡むことにより起きる現象が毛玉でもあります。

“コンパクトヤーン” は紡績の過程でこのスケール押さえ込んで糸を撚る(よる)ことで、シルクのような滑らかなタッチと上品な光沢を生み出す技術。

SUPER 140’s の原毛をコンパクト紡績し、中肉の80番手糸を縦糸に8500本も使用したギャバジン織で仕上げるわけですから、この服地がいかに贅沢かご理解頂けると思います。



展開する色は全5色・無地

No.1 濃紺 | No.2 ネイビー | No.3 グリーン味のあるチャコールグレー |No.4 ブラウン味のあるモスグリーン | No.5 黒


どの色も素晴らしい光沢と打ち込みによる発色の良い色味と表情が持ち味で、ニュアンスカラーも用意するところが国島毛織らしさだと感じます。

またS140’s原毛を使用した、目付 290g / M のボディもあり、こちらは王道グレンチェック・浅めのネイビー無地・シャークスキンのライトグレー無地、3ボディも収録されております。

どちらのボディも夏を除く合服として着用が推奨となります。
今の時期からご注文頂いても遅くはありませんので、ご興味ある方は実物を触りにご来店いただけますと嬉しく思います。

【 The KUNISHIMA 1850 】
Exclusive Line

SUPER EXCLUSIVE GABARDINE

SUPER 140’s WOOL 100%
目付 330g / M


Fabric Price by Suit ¥ 75,000 + tax
別途 お仕立て代

そして番組後半でもう一つ、国島毛織・川本さんよりご紹介頂いた服地が 『 梳毛 カシミア 』

カシミアと言えばコート生地を想起する方が多いと思います。
通常コートなどに使用する糸を紡毛と呼び、短い繊維長の原毛を紡ぎ合わせて1本の糸を撚り上げる紡績が紡毛。


糸には、紡毛と梳毛の違いがあり、原毛を櫛(くし)で梳いた(すいた)際に、掻き出された短い繊維が紡毛とも言えます。

梳毛とは原毛から切れ目のない糸を紡ぐ “長毛繊維”のことを指す紡績手法。
今回ご紹介のボディは、貴重なカシミア繊維から短い繊維を取り除いた長毛繊維だけを使用し織り上げた服地が 『 梳毛 カシミア 』になります。


カシミヤの繊維径が14〜16マイクロンですので、SUPER 換算すると S150’s 〜 S180’s に相当する原毛を、30番手の紡毛コートと同水準で梳毛紡績したのが本作。

正にこのバンチが「 Exclusive Line 」である理由そのものだと感じます。

【 The KUNISHIMA 1850 】
Exclusive Line

SUPER EXCLUSIVE GABARDINE

CASHMERE 100%
目付 520g / M


Fabric Price by Suit ¥ 300,000 + tax
別途 お仕立て代


※ コート服地価格は着丈によって変動しますが、おおよそ同価格とお考え下さい。

No.30 縦 7.5cm × 横 6.5cm 大升グレンチェック
No.31 紺 × ヘリンボーン | No.32 ミディアムグレー × ヘリンボーン
No33 黒無地 | No.34 濃紺より1色明るい紺

本当に凄い生地を織り上げたと感じます。
織る技術含め、企業努力の賜物と言えるのでないでしょうか。


私のお勧めは、コートではなくスーツや3ピースとしてお仕立てをお勧め致します。
目付 520g / M あっても膨らみ感は梳毛。故に、贅沢なカシミヤ生地でスーツをお仕立てする貴重な機会だと考えます。

抜群の立体感。ドレープと光沢。
これを余すところなく、お仕立て出来るのは仕立屋冥利に尽きる仕事です。


2026 – 27 秋冬シーズンに向けてぜひご検討頂けますと幸甚です。

型紙から製作するお仕立てコースで製作したいので、納期は MTM – House cut であれば4ヶ月。
Bespoke であれば、6〜8ヶ月後(ご注文時期によって変動)のご納品となります。

最後までブログにお付き合い頂きありがとうございます。

また、屋根談 radio のご視聴にも心より感謝を申し上げます。

番組MCの私と靴職人・小林氏共に、引き続き意義あるコンテンツをお届け出来るよう務めて参ります。

ではまた来週。ご機嫌よう。

TAILOR SECOND HOUSE
オーナー 中野 俊




FABRICS

情報が整い次第、掲載致しますので、お待ち下さい。