FABRICS

2023.01.21ESCORIAL / HEAVY WEIGHT SERGE

ESCORIAL(英)

Escorial Wool 100%
Weight 500g / M

Special Price ¥264,000→ ¥198,000 in tax
Stock 3.0M

No. NS3

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歴史に翻弄された ESCORIAL WOOL (エスコリアル ウール)

この羊の物語は11世紀にさかのぼり、北アフリカモロッコのアトラス山脈にいた羊をスペインへ送られたところから始まります。16世紀になるとマドリッド北西にあるEL ESCORIAL(エスコリアル)修道院で王室専用に飼育されていたところから呼称へと変わる。

その後、ナポレオンのスペイン侵攻によってこの羊は消滅したかに思われましたが、それ以前の1765年にドイツのサクソニーの選帝候に贈られており、奇跡的に子孫が確認される。今で言うところの “パンダ外交” の側面が幸いとなる。その子孫約100頭を19世紀初めにタスマニアに移され、現在まで純血種が受け継がれてきた希少種。

個体は小さく、普通の羊の1/3~半分程度の大きさの為、出生率は年1頭の母羊から0.6頭と繁殖能力の低さが難点として挙げられ、原毛の収穫量は年間80~100トンとカシミアの1%にも満たない非常に希少な繊維としても知られます。

これらを勘案すると、扱い難い原毛として産業には向かないレッテルが貼られてもおかしくありませんが、その毛質はカシミアの半分の軽さを誇り、繊維の宝石といわれるカシミアの原毛が14-16マイクロンに対し、エスコリアルウールは更に細かい約13マイクロン。SUPER(スーパー)表記に換算すると、S200’s に相当する極上品が故に、現在も世界に冠たる地位を築く原毛として称されています。

当店がストックする一品

ご紹介の一品は、エスコリアルウールの中でも珍しいコート生地になります。
この原毛を取り扱い織り上げられるメーカーは世界でも5社程度と言われており、目付500g/Mのボディは更に希少性の高い逸品だと感じております。

お仕立てはチェスターコートをお勧め致します。
シングルかダブルか悩ましいところですが、ぜひ末長い着用をご検討頂けますと幸甚です。